ユーザースタイルシートによる広告の消去は万引きと同じである
ユーザースタイルシートによる広告の消去は、万引きと同じである? という議論。
個人的には、サービスを利用するのならば、ユーザースタイルシートなどで意図的に広告を消去するのは好きではない。
ある意味では、広告を見る対価としてサービスを利用する権利を得ているのだから、広告を消すことは契約違反(なんの契約かは深く考えていないが)になりかねない、というのもある。しかしそれ以上に、広告を消すという行為は、愛用しているそのサービスに多かれ少なかれダメージを与えることなる、というのが大きな理由だと考えている。極端な例を挙げれば、全員が手元で広告を除去してしまえば、広告収入で運営されているサービスは停止を余儀なくされるだろう。
一方的に利益を搾取するという意味でも、最終的にサービス側が停止に追い込まれるという意味においても、広告の消去は万引きと同じと言っていいのかもしれない?
反対意見としては、「どうせ見ないんだから、消しても同じ」というものが挙げられる。しかし、これは間違っているといって良いかもしれない。
広告というものは元々低い確率に賭けて行われるものであり、多くの人に無視される事は広告主だって百も承知である。しかし、たとえばウェブ広告であれば、本当にわずかな確率でクリックされることがあり得るし(筆者自身、人生で10回ぐらいは広告をクリックしたことがある)、社名やブランド名が視界の隅に入っているだけでも価値が有る場合もありうる。
たとえば、車を買わない多くの小学生がTOYOTAは自動車のメーカーだと認識しているのは、おそらくはTVCMによる効果が大きな役割を占めているだろし、女性週刊誌を買わない人間でも「女性自身」の内容が何となく想像できるのは、電車の中吊り広告の影響が大きいと言えるだろう。同じように、たとえばWeb広告でも見た目のインパクトや展開によっては、ブランドを浸透させるには大きな役割を果たすことは十分にあり得るはずだ。しかし、そのような広告も最初から表示されていないのではどうにもならないだろう。
と、思いつきで書いてみたが、「好きなサービスならばちょっとした広告ぐらい我慢した方が、最終的には(サービスが拡張されるなどして)自分の利益になるはずだ」というのが本音だったりもする。ケチったせいでサービスに消滅されたら元も子もないし、使用した分は提供者に報いるのが筋だろう。