ソニーAlpha 7Cを買って10か月ぐらい使った

ソニーAlpha 7C with FE 50mm F1.2 GM

子供が生まれたのを機に、2021年の8月にソニーのAlpha 7Cを買った。半年以上使ったので、感想をまとめてみる。

用途

メインの用途は子供の撮影で、たまに趣味のスナップ写真も撮るといった感じ。

子供の写真はGoogle Photoの共有アルバムにアップロードして、日本にいるジジババに見てもらっている。コメントも付けられるので日々の成長に対する感想がたまっていくのが良い。

趣味の写真はInstagramにアップロードしている。

カメラ選び

2021年8月の段階だと、アマチュアがフルサイズミラーレスを買うのであればソニーが良さそうに思えた。

一眼レフかレンズ交換式ミラーレスか

デジタル一眼レフカメラは現在も売ってはいるものの、機能的にも用途的にも、今買うならレンズ交換式ミラーレス一択という感じだった。ポートレートやスナップ写真を撮るためにカメラを買うのであれば、予算の都合をのぞけば、一眼レフに利点は無いように思われる。

メーカー選び

メーカー選びに先立って、まずはAPS-Cかフルフレームにするかを選ぶことになる。APS-Cも悪くはないものの、せっかくカメラを買うのであればフルフレームのほうが表現の幅が広がる気がするし、高感度耐性も高いので暗めの室内でも子供の写真を撮りやすい。フルフレームミラーレスの場合、ソニー、キヤノン、ニコンがメジャーどころだと思う。

前述の3メーカーの中では、子供を追いかけたり、スナップ写真を撮るためにアマチュアが使うのであれば、ソニーが一番良さそうに思える。ソニーの場合、ミラーレスカメラ本体はもちろんのこと、サードパーティも含めたレンズのラインナップも豊富なので、予算と用途に応じて機材を選ぶことができる。そのうえ、ソニーはカメラ本体とレンズの小型軽量化に余念がないので、生活の「ついで」にカメラを持ち出す場合にも負担が少ない。キヤノンはソニーに比べると全体的に価格が高いのと、RFマウントのレンズには現時点でピンとキリしかないのがアマチュアには厳しいものがある。サードパーティー製のレンズも実質的に存在しないので、良いレンズを買おうとするといきなり出費が増える上に、サイズも大型化してしまう。ニコンはオートフォーカスの性能が微妙すぎるのと、Z 50mm F1.2の巨大さを見て、自分の用途とは合わないなと思った。最高性能のためなら巨大化するのも方向性としては良いと思うのだけど、最高性能と小型化を両立してくれるソニーのほうが「ついで」の用途には向いている気がする。

機種選び

子供と出かけるときにあまり荷物が重くなると嫌なので、コンパクトさを優先してAlpha 7Cを選んだ。今買うとしたらAlpha 7IVもかなりいい選択肢だと思う。

半年以上使ってみて

素直に買ってよかったと思う。「スマホでいいじゃん」と言われがちだけど、Alpha 7Cで撮った写真と、iPhone 12やPixel 6 Proで撮った写真では、一目でわかるレベルでクオリティに違いがある。

とはいえ、実のところ写真のクオリティの差はカメラそのものだけではなくて、大口径のレンズやフラッシュによるところが大きいと思う。そういう意味ではカメラ本体はある程度の性能と機能があれば何でもよいのかもしれない。

Alpha 7Cの良かったところ

小型化されてているとはいえ、Alpha 7Cは実用上必要な機能がほぼそろっているところがとても良いと思う。

小さくて軽い

軍艦部が無い分高さが抑えられているのでバッグへの収まりがよい。Peak DesignのEveryday Sling 3Lのような小さなバッグに入れるときに特に助かる。圧倒的に軽いので、持って出かけるのが苦になりにくいのも嬉しい。カメラを買っても面倒になって持ち出さなくなると台無しなので、重さと大きさは重要だと思う。

瞳AFがとても便利

何も難しいことをせずに目にピントがきれいに合うので、特に子供を取るなら必須だと思う。

ボディ内手ブレ補正が助かる

このサイズなのにボディ内手ブレ補正機能が付いているのが嬉しい。

SIGMA製のレンズが使える

SIGMAの28-70mm F2.8 DG DNという軽量な大口径ズームレンズ(しかも安い)が使えるのはEマウントのおかげ。

Alpha 7Cのもう一歩なところ

致命的な問題というよりは、ちょっと残念だなぁというぐらいの問題を列挙してみる。繰り返しになるけど、実用上必要な機能はほぼ揃っているので、重箱の隅に近い。

シャッタースピードが1/4000まで

日中にF1.2やF1.4の解放だと1/4000では露出がオーバーしてしまうことがある。NDフィルターを使うか絞ればよい。

小指が余る

その分計量化されているのでしょうがない。慣れるとそこまで気にならない。

4k動画がクロップされる

写真から動画に切り替えると実質的にズームされることになるので、特に単焦点レンズの時に困ることがある。ついでに4kが30pまでなのが少し寂しい。

フル機械式シャッターがない

電子先幕シャッターしかないので、大口径レンズでシャッタースピードが速いとボケが欠けることがある。

Menuボタンの位置がひどい

単純に押しにくくて最初は困ったけど、意外なことに慣れた。

背面液晶とファインダーがそこまで良くない

もうちょっとキレイだとうれしいなぁという感じ。

レンズと周辺機器

レンズは最初にFE 35mm 1.4 GMとFE 90mm F2.8 Macro G OSSを買って、すぐにSIGMAの28-70mm F2.8 DG DNを追加した。その後はFE 50mm F1.2 GMとSIGMAの45mm F2.8 DG DNも購入した。普段は単焦点レンズを本体につけておいて、念のため28-70mmをバッグに入れておくぐらいなので、ズームレンズは軽い方が嬉しい。Eマウントの場合、ソニー純正には小型のF2.8通しの標準ズームが無いのだけど、サードパーティー製のレンズで補完できるのが良いところだと思う。45mm F2.8 DG DNみたいなニッチなレンズが選べるのもEマウントのおかげ。

ほかに買ってよかった周辺機器としては、Godoxのフラッシュとリモートコマンダーがある。室内撮影がメインならば、レンズとカメラにこだわるよりも、照明に投資した方が良い結果が得られる気がする。