SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporaryを買った

総金属製の美しいレンズ

小さい標準域の単焦点レンズが欲しかったので、SIGMAの45mm F2.8 DG DNを買ってみた。

標準域の単焦点はFE 50mm F1.2 GMを持っていて、画質には満足して使っているものの、たまにもう少し小さいレンズが欲しくなる。もちろん、50mm F1.2のレンズとしては、ソニーの物は小さく軽く作られていて、持ち出すのが億劫になるほどのサイズ感でもないのだけど、小さいバッグに入らなかったりして困ることがある。手元には古いPentaxのSMC Takumar 55mm F1.8もあって、たまにマウントアダプターをつけて使うと、「これぐらいのサイズ感でオートフォーカスが使えるといいなぁ」という気持ちになる。

そんなことを考えていたら、AdoramaでSIGMAの45mm F2.8 DG DNが$249で売られていたので、散々悩んだ上で注文してしまった。

悩んだのは、F2.8という開放F値が使い物になるかどうかというところで、ズームレンズならともかく、単焦点レンズでF2.8というのは少し物足りない気がする。ただ、45mmだと50mmとは完全に被らないし、F1.2と組み合わせるのなら、中途半端に明るいレンズよりもいっそF2.8ぐらいの方がいい気もする。それ以上に、作例を見ると、背景のボケはほどほどなのに、不思議な立体感を感じる気がして、面白そうなので買ってみることにした。

実際の写真の映りは作例で見た通りで、当然背景ボケボケにはならないんだけど、それでいてじんわりかつスッキリとした奥行きを感じる写真になるのが面白いと思う。意図的に残されたという球面収差による、滲みのあるボケのおかげなんだろうか。F1.2のように背景をボカして逃げられない分きちんと構図をとる必要があるものの、その分周りの雰囲気まで写真に残るのは良いことなのかもしれない。

細い葉が重なっている状態でも背景がザワザワしないのが気持ちよい

ポートレートを撮る場合、解放では肌の細かすぎるテクスチャが良い感じに消えてくれる。特に至近距離の撮影だと顕著になるようで、少しだけソフトフィルターがかかったような優しい描写になる。肌のキメまで写したい場合は、F4ぐらいまで絞ると良いようだ。ソフトフィルター気味になった場合も解像感自体は失われていなくて、むしろ、睫毛などはいわゆる「線の細い」繊細な描写になってくれる。45mmという焦点距離も絶妙で、特に室内だと50mmより使いやすいし、35mmほど広すぎないしで悪くない気がする。接写能力が高いので、近くを歩き回る子供を撮るのにもちょうどいいレンズと言えるかもしれない。

物理的な造りもいいし、小さくて楽しいレンズなので、買ってみてよかったなと思う。