FE 28-70mm F2 GMを半年ぐらい使ってみての感想

FE 28-70mm F2 GMで家族の写真を撮り始めてからある程度時間が経ったので、感想をまとめる。
画質は良い気がする
画質に関してはとても良いと思う。ピントが合っているところはとてもシャープだし、ボケ量もボケの質もズームレンズとしては文句がない。購入する前に気になっていたボケ玉が汚い問題は、少なくとも普段気になることはない(イルミネーションを撮るときぐらいだろうか)。
標準ズームはやはり便利で、とりあえず付けておけば大抵のシーンで何とかなる。レンズ交換をサボることが増えたので、単焦点レンズの出番は少し減った。ただ、単焦点の置き換えになるかというと、やはり少し違うなという気がする。シャープさはともかくとして、FE 50mm F1.2 GMやFE 35mm F1.4 GMとはボケ量の差が大きくて、完全に切り替える気にはならない。F1.8の単焦点レンズで満足できないからF1.2とかF1.4のレンズを使っていたわけで、F2で完全に満足できるわけがない。
重いしデカい
「スペックの割には」軽量だし、少しの間なら気にならないのだけど、なんだかんだで重い。ストラップをたすき掛けにしてカメラを持っていると、肩(と首と腰)への負担を感じる。たとえば、FE 35mm 1.4 GMは「ひょいっ」と持ち上げられるけど、FE 28-70 F2 GMは「よぃっと」ぐらいの力が必要になる。気楽に持ち出すという意味では、単焦点レンズの方がまだまだ有利だと思う。
全長が長いのは特に収納時に困りもので、例えばPeak DesignのCamera Cube V1には立てた状態で収納できない。寝かせて収納すると結構なスペースを使うので、念のためズームも持っていくか、というような時は結構邪魔だなぁという気持ちになる。
28mmスタートの限界
室内だと28mmだとちょっと狭いな、と感じることがたまにある。広角をカバーするためにFE 16-35mm F2.8 GM IIも持っていくとなると荷物が増えて嫌だし、結局レンズ交換をするなら単焦点でいいじゃないかという気持ちが芽生えてくる。
86mmのフィルター
このレンズは86mmという比較的マイナーなフィルター径のため、フィルターの選択肢がそもそも存在しなかったり、存在していても高価なことが多い。あまりにもマイナーなフィルター径のため、86mmでフィルターを揃えるとほぼこのレンズ専用になってしまう。特に動画用のフィルター類は高価なので、事前にどれぐらいの投資が必要となるのかを調べておいたほうが良い。86mmの次に一般的なサイズは95mmで、フィルターによっては95mmを選ばざるを得ないことも多いのだが、当然高価だし持ち運びの容易さにも影響してくる。
ステップダウンリングで82mmのフィルターを使えるという説もあるのだけど、1枚ならともかくとして、複数枚を重ねると広角側で簡単にケラれるので82mmフィルターの使いまわしは諦めた方がいいと思う。
FE 24-70mm F2.8 GM IIと比べると
FE 24-70mm F2.8 GM IIの方が、標準ズームレンズとしては使い勝手が良いと思う。バッグの中でかさばらないし、一本で24mmまで対応できる。フィルターサイズも常識的な82mmなので、入手性や使いまわしもしやすい。絞り解放に1段の差があるとはいえ、ズームレンズが欲しくなるシーンでは絞ることも多いので、用途によってはそこまで気にならない。価格の差と使い勝手を考えると、汎用的な標準ズームレンズが欲しい場合にはFE 24-70mm F2.8 GM IIのほうがお勧めできる。
ニッチなレンズ
趣味でFE 28-70mm F2 GMを使う場合の良いところは、レンズ交換をさぼっても罪悪感が少ないことだろうか。F2でもそれなりにボケが得られるので、「まぁベストではないけどいいか」ぐらいの気持ちになれる。利点としてはそれぐらいなので、すでに単焦点レンズが揃っている人で、レンズ交換が苦ではないのならば、わざわざ買う必要のないレンズだともいえる。もちろん、ウェディングを始めとした商用撮影などでは使い勝手がいいのだろうが、素人が家族の写真を撮るだけならば、値段を考えても優先して買うべきレンズとは言いづらい。さらに言うと、FE 50-150mm F2 GMが発売された今となっては、標準ズームはFE 24-70mm F2.8 GM IIにしておいて、ポートレート用にFE 50-150mm F2を買った方が良い結果が得られると思う。
性能はともかくとして、用途としては非常にニッチなレンズなので、明確な使用目的が決まっていない限りは他のレンズを選ぶのが良さそうに思える。