オムライスを上手に作りたい。中尾アルミ製作所のキングパン22cm

キングパンの写真
中尾「アルミ」製作所だけど鉄製です

オムライス。それは鉄のフライパンを使っているのなら、上手に作りたい料理の一つです。しかし、オムライスを作るのに、鉄のフライパンならなんでもいいというわけでもないようです。そんなわけで、中尾アルミ製作所のキングパン22cmのお話です。

オムライスに最適な鉄フライパンとは

オムライスを作る上で、使いやすい鉄フライパンとはどんなものでしょうか。結論から言えば、22cmの普通の形の鉄フライパンが良いみたいです。というのも、オムライスで有名な日本橋のたいめいけんさんも、YouTubeでオムライスやオムレツの作り方公開してくださっているザ・洋食屋 キチキチさんも、オムライスには22cmのフライパンを使ってるようなのです。

筆者の場合、最初はTurkのクラシックフライパン20cmを使ってオムライスを作ろうとしたのですが、いかんせんトントンするには重すぎました。1回で手首が痛くなるレベルだったので、やりすぎると腱鞘炎になると思います。ここはプロの真似をして、普通の鉄フライパンにしておきましょう。

モブフライパンたち

ところで、いわゆる「普通の形の」鉄フライパンですが、世の中には想像以上に沢山あります。たとえば、Amazonで「鉄フライパン」と検索するだけでも、似た形のフライパンが大量に出てきます。遠藤商事の「黒皮鉄板厚フライパン」などは、いかにも普通の鉄フライパンの形をしていますね。

筆者は、なかなか見分けがつかないこれらのフライパンのことを便宜上「モブフライパン」と呼んでいるのですが、一見おなじに見えるモブフライパンも実はそれぞれに個性があります。特に、板厚と表面の仕上げは製品によって結構違っていて、見比べてみると面白かったりします。モブフライパンについては、また改めてまとめを書きたいと思いますが(手元には10種類以上のリストがあります)、とにかく、似たようなフライパンが沢山有るため、意外と選ぶのが難しいのです。

中尾アルミ製作所のキングパンを選ぶ

キングパンのロゴ写真
ハンドルに付いているロゴがかわいい

そんなモブフライパン軍団の中でも、筆者は中尾アルミ製作所のキングパンを購入しました。

購入時のチェックポイントとして、なるべく軽いものが欲しい、というのがありました。オムライスの場合、フライパンを振ってトントンしなければいけないので、重すぎると手首に負担がかかりそうです。一方で、あんまり板厚が薄いと温度が均一になりづらいため、卵料理には向かないかもしれません(この点は仮説なので要検証です)。以前にオムレツ用に買ったEBMの16cmのフライパンは、板厚が2mmでかなりしっかりとしているのですが、これをそのまま22cmにすると、若干重そうな気もします。というわけで、2mmよりも、もう少しだけ薄めのフライパンが良さそう、ということになりました。

板厚はなんとなく決まったものの、2mm以下というだけだとまだ絞りきれません。というのも、1.5mmぐらいの厚みというのはモブフライパンの中でも中庸な存在で、キングパン以外にもパール金属の鉄職人や遠藤商事のシルバーアロー、アカオアルミの鉄黒皮フライパンなど、いろいろな製品があるのです。個人的には、鉄職人は全体の作りがなんとなく安っぽく感じるために候補から外したのですが、そこから先の絞り込みが中々進みません。そんな中、最終的にキングパンの購入を決めるにあたっては、わざわざさんのページがとても参考になりました。非常に素敵なキングパンの写真が沢山掲載されていて、作りの良さそうな佇まいが伝わっています。

買ってみた

キングパンの写真
テンパーカラーが付くとさらにかっこよくなる

まずは物理的なスペックです。

板厚は1.6mmのため、22cmでも650gとかなり軽量です。しかし、不安になるような薄さではありませんし、実際のところ、全体の作りはかなりしっかりしていて、ハンドルも含めてソリッドな印象です。作りの良さと程よい重さにより、見た目上は特徴が薄いにも関わらず良い感じの存在感があります。

内側は、リベットが低頭タイプではないため、それなりに飛び出しています。若干内容物が引っかかりやすい部分はありますが、個人的には気になるレベルではありません(飛び出たリベットが嫌いな人はアカオの黒皮鉄フライパンが低頭タイプでお薦めです)。外側はスピニング加工らしい同心円状の溝がついています。

キングパンの写真
スピニング加工らしい加工の跡

出荷時はどうやら錆止めのラッカー塗装がされているため、使用前に空焼きをして焼き切る作業が必要です。この作業はカセットコンロで行うと簡単です。縁の上の方はカセットコンロとボンベを共有できるバーナー(筆者はイワタニのものを使っています)を併用すると便利です(バーナーは料理でも活躍するのでお薦めです)。空焼きをしていると青いテンパーカラーもついて、絶妙なグラデーションで素敵な佇まいになります。

価格は他のモブフライパンに比べると若干高めに設定されているようです。とはいえ、それでも2,000円以下ですし、作りの良さを考えれば文句ないレベルだと思います。

それで、オムライスはどうなった

言うまでもない話ですが、フライパンを買えばオムライスが上手に作れるわけではありません。筆者も何度か練習してそれなりに作れるようになってきましたが、ここで写真を見せるほど安定して綺麗に作れるまでには至っていません。それでも、22cmというのはちょうどいいサイズで、とりあえず「道具のせいで上手く作れない気がする」という逃げ道が塞がれているのは感じられます(確認のためにアカオの22cmも買ったわけですが)。

オムライスを作る場合、オムレツ以上に温度管理が難しくなります。筆者の場合、オムレツは安定して作れるのですが、オムライスはオムレツよりも工程が多いためか、焼きすぎて失敗することが多いようです。テフロンに比べると、温度管理の失敗は即焦げ付きに繋がるので、何度も練習してコツを学ぶ必要がありそうです。

ところで、どうしても鉄のフライパンがくっつくのに我慢できない場合、実は逃げ道があります。たいめいけんに行くと、なんとテフロン加工の鉄のフライパンが売っているのです。お店でもこのフライパンを使っているのかは分かりませんが、どうしてもオムライスが上手に作れない場合は、ちょっと逃げてみるのもありかもしれません。